第 149 回 PTT のお知らせ

皆様,あけましておめでとうございます.PTT幹事の岩崎です.本年もPTT をよろしくお願いいたします.また,PTTへの御質問,御要望(このような人の 話をききたい,このような場所でやって欲しい,等)がありましたら,幹事ま でお願いします.

さて,今年はじめてのPTTは慶応でおこないます.奮って御参加ください.


日時: 1990年 1月 17日 (水) 18:30 から

場所: 慶應義塾大学理工学部 25-601 教室(横浜市港北区日吉3-14-1)

東横線日吉駅慶応大学側の出口(東側)を出て,東横線に沿って左(渋谷方向) へ行く. 仲の谷という交差点(仏具屋が目印)を右に(中華料理屋と民家の間の 道)曲がり,2〜3分で理工学部の表札が見えるので,そこの左手の坂を登る. 教室は25棟(ピロティの右の建物)の6階です.


話題: コンピュータによる文字フォントの表現について

話者: 大野 義夫 (慶應大)

内容:

各種の文字フォントの表現方法とその特徴を比較する.また,輪郭フォン トから質のよいドットフォントを生成するための手法として,ハーフトーンお よび automatic hinting などの有効性について述べる.


食事: 16:00までに,044-63-1141 内線 3630 久保田まで.生協でも夕食 を食べられます(18:30まで).

次々回: 1990年 2月 14日 (水) 東工大 (予定)

葉書の残りは 枚です

差出人、幹事:
113 文京区本郷 7-3-1
東京大学工学部計数工学科  岩崎英哉
03-812-2111  ext. 7411
iwasaki@wadalab.t.u-tokyo.ac.jp

第 149 回 PTT PTTメモ


日時: 1990 年 1 月 17 日
場所: 慶応義塾大学理工学部 25-601 教室
題目: コンピュータによる文字フォントの表現について
話者: 大野 義夫 (慶応大)
出席者: 菊池 豊, 篭谷 裕人 (東工大), 角田 博保, 多田 好克, 寺田 実, 武内 和昭, 川平 吉樹, 森山 茂男 (電通大), 大駒 誠一, 新美 誠, 久保田 光一, 中丸 幸治, 馬上 博樹, TOUSSEA (慶応大), 青野 英樹, 侭田 裕幸, 土田 泰治 (三菱電機), 石畑 清 (明大), 加藤 清和, 原田 章司 (日本サン), 岩崎 英哉, 田中 哲朗 (東大), 伊知地 宏, 古川 隆宏 (富士ゼロックス), 野中 哲 (ライフボート)
概 要:

コンピュータによる文字フォントの扱いに関していくつかの話題を紹介し た.

現在DTPのためだけでなく,ブラウン管への表示を改善するなどのため に,ディジタル・フォントへの需要が高まっている.しかし特に日本語の字種 の多さを考えると,文字フォントをビットマップ形式で保持するのは,あまり にも記憶量が多くなりすぎるとともに,使う上でも自由度が少ない.このため に,最近では小型のワープロでも,アウトライン・フォントの形式を採用して いるものが増えてきている.

アウトライン・フォントの表現形式としては, 折れ線の他に, 陰関数で表 現される曲線(円弧,楕円弧など)とパラメトリックに表現される曲線(ベジ エ曲線,内挿スプライン曲線など)があるが,最近では後者を採用するケース が増えている.

アウトライン・フォントも実際に表示したり印刷したりする場合にはドッ ト形式に変換しなければならない. 正確な変換は陰関数形式の方がやりやすく, 近似的な変換でよければパラメトリックな形式の方が効率がよい.そこで必要 に応じて両者の変換を行なうことも考えられる.

また,見やすいドット・フォントを生成するためには,アウトラインを幾 何学的に正確にドットに変換するだけでは不十分である. 特に曲線部分はピク セル格子との位置関係をうまく取らないと,きれいな曲線に見えるドット・パ ターンが得られない.このため,そうした位置関係を微妙に調節するための制 約をつけてドットに変換することが行なわれている.さらにできれば,そうし た制約も自動的につけるようにしたい.

漢字の場合には特に水平線・垂直線が多いので,それらの線の太さが揃っ ていることが必要である.そのため,そうした線をアウトラインから自動的に 抽出して,他の部分とは別にドットに変換するとよい結果が得られる.

ブラウン管への表示の場合には,ハーフトーンを用いると非常に効果があ る.