第 188 回 PTT のお知らせ

今月の PTT は「巡業」第 6 弾です.前 PTT 幹事の久野さんにお願いして, 筑波大学大塚地区でやることにしました.
日時: 1993年 7月23日 (金) 18:30 から (恒例の木曜日ではありませんのでご注意下さい)
場所: 筑波大学大塚地区 E館 E428号室 地下鉄丸の内線茗荷谷駅下車徒歩 2分.改札を出て正面 (池袋方面行きだと工 事中で改札が分かれているため背面) ななめ前の交番方向に道路を渡り,駅か ら交番までの距離の 5倍ほど向うへ行った所が正門.門を入って正面の建物の 最も近い入り口から入りエレベータで 4階へ.エレベータ前の掲示版に案内を 掲げておきます.
話者: 福井眞吾 (筑波大)
題目1: 社会人向け夜間大学院 「筑波大学 経営・政策科学研究科」の紹介
概要1: 社会人を対象として設立された大学院の概要紹介,および,1学生か ら見た評価.
題目2: 属性付きファイルを基盤とする個人向け情報組織化環境
概要2: 作業課題,スケジュール,作業環境,作業を実行するプログラムを, 属性ファイルを用いて統一的に管理することによって、個人レベルの情報処理 作業を支援するシステム.
食事: すみません,用意できないので駅前で済ませて下さい.
	      葉書の残りは   枚です
差出人(幹事):
113  文京区弥生 2-11-16
     東京大学教育用計算機センター 岩崎英哉
     03-3812-2111  ext. 3020
     iwasaki@rds.ecc.u-tokyo.ac.jp

第 188 回 PTTメモ


日時: 1993年7月23日(金) 18:30-21:00
場所: 筑波大学大塚地区 経営政策科学科 システム科学専攻
題目: 1.社会人向け夜間大学院「筑波大学 経営・政策科学研究科」の紹介
2.属性付きファイルを基盤とする個人向け情報組織化環境
話者: 福井眞吾(筑波大 (NEC))
出席者: 和田 英一, 山下 伸夫, 尾上 能之, 永松 礼夫, 立山 義祐, 渡辺 英幸, 田中 哲朗, 下國 治, 本橋 健, 木下 毅, 寺田 実, 岩崎 英哉(東大), 三好 祉夫, 角田 博保, 中山 泰一(電通大), 久野 靖, 金 東虎, 粕川 正充, 大木 敦雄(筑波大), 久保田 光一(中央大 理工), 小口 達夫(国際短期大学), 塚本 英雄(ヒューマンシステム(株)), 清水 剛(富士通研), 倉部 淳(富士ゼロックス), 野中 哲(アップルテクノロジー(株)), 佐々木 富士夫((株)創源システム)
概要:

質疑応答:
1. 社会人向け夜間大学院「筑波大学 経営・政策科学研究科」の紹介

平成元年に、筑波大大塚地区(地下鉄丸の内線茗荷谷駅そば)に社会人を対象
とする夜間大学院が設置された。この夜間大学院は、次の3つの専攻から構成
される。

        経営・政策科学科  経営システム科学専攻
        経営・政策科学科  企業法学専攻
        教育研究科        カウンセリング専攻

この中の、「経営システム科学専攻」の紹介を行なう。
経営システム科学専攻は、「経営学」「数理科学」「計算機科学」を3本柱と
する学科であり、

  ・経営、経済の分かる理工系出身の経営者、管理者
  ・技術の分かる文系出身の経営者、管理者

の養成を目指している。マーケティングや経営戦略論等の経営系の科目だけで
はなく、数理計画法、統計理論等の数理系の科目、人工知能、ソフトウェア工
学、計算機プログラミング等の計算機系の科目も充実している。したがって、
MBAよりも幅広い領域を学ぶことができる。その反面、MBAだと思って入学した
人にとっては、経営系の科目が少なく、不満の原因になっている。

授業は、火曜から金曜の18:20-21:00と土曜の13:45-19:35の時間帯に行われる。
必要な単位を取得し、修士論文を提出すると「経営学修士号」あるいは「経営
システム科学修士号」を取得できる。1週間に2〜3日通学すれば、2年間で必要
な単位を取得できる。しかし、2〜3日というのは学校に通う日数であって、そ
れ以外の日も、reading assignment、宿題、修士論文の研究などで殆どつぶれ
てしまう。いかに大学院のための時間を確保するか、いかに効率よく勉強する
かが重要である。

学生の選抜は、

  ・応募時に提出する研究計画書(A4 6ページ程度)
  ・筆記テスト(小論文風)
  ・面接

によって行われる。応募者は大変多く、過去4年間の競争倍率は5倍〜10倍を推
移している。この選抜試験を通過して入学した学生は、たいへんバラエティー
に富んでいる。年齢は20歳台前半から50歳台まで分布し、所属も、銀行、証券、
電機メーカー、食品メーカー、航空、流通など幅広く分布している。会社では
出会えない分野の人と知り合えることが、本専攻のメリットだと考えられる。

学生の募集は、次のようなスケジュールで行われる。

        8月下旬  募集要項配布
       11月上旬  願書受付
       11月下旬  入学試験

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|本専攻に興味がある方は、                                             |
|       東京都文京区大塚3丁目29-1                                     |
|       筑波大学学校教育部 業務課教務係                               |
|       TEL 03-3942-6816, 6817                                        |
|に問い合わせてください。募集要項はここで入手可能です。郵送もしてくれ |
|ます。授業や、学生生活について質問があるかたは、私にメールを送ってく |
|ださっても結構です。分かる範囲でお答します。私のメールアドレスは、   |
|       fukui@gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp                               |
|です。                                                               |
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2. 属性付きファイルを基盤とする個人向け情報組織化環境

パーソナル・コンピュータやワークステーションは、個人レベルの情報処理作
業を支援することを目指して作られたコンピュータである。個人レベルの情報
処理作業は、組織における情報処理作業と比較して、その内容が種々雑多で非
定型的であるという特徴をもつ。そのため、スケジュール管理、表計算、デー
タ管理など、個々の作業ニーズを満たすソフトウェアを提供することによって、
個人の情報処理作業を支援するというアプローチがとられてきた。しかし、作
業のスケジューリング、作業に必要なデータ管理、作業の実行等は相互に関連
をもっており、これらを個別に支援するだけでは、個人の情報処理作業全体を
統一して支援することはできないと考えられる。

このような考えに基づき、本研究では、個々の作業だけではなく、作業間の関
係管理までを対象に含めた個人の情報処理環境の枠組を提案し、プロトタイプ・
システムを作成することによって、その実現可能性を示す。

まず、個人レベルの情報処理作業を、機能ではなく、時間軸にそって分類整理
すると、次のような作業の流れが存在することがわかる。

・雑多な情報を収集し、分類する
・実行すべき作業課題を作る
・抽象的な作業課題を具体的な作業課題に分解する
・作業のスケジューリングをおこなう
・作業に必要な情報を集めて、作業環境をととのえる
・集めた情報を使って実際に作業を行う

この作業の流れの中には、次にあげる5種類の管理対象が現れる。

    素情報		      作業の材料となる情報
    作業課題		      実行すべき作業課題
    スケジュール	      日時、内容が確定した具体的作業課題
    作業場所 		      作業に必要な情報を集めた場所
    アクティブ・プログラム    実際に作業を行なうために起動したプログラム

また、これらの管理対象は、いろいろな観点から分類参照され、相互に関連づ
けられる。したがって、個人の情報処理作業を支援するコンピュータ・システ
ムは、上記5種類の管理対象を対等に扱い、管理対象の分類、関係づけ、検索、
関係探索を統一したインタフェースのもとで提供することによって、作業の流
れを連続的に支援すべきであると考えられる。

この考え方に基づいて、UNIX OS上に、個人情報組織化環境PION(Personal
Information Organizing eNvironment)を試作した。PIONでは、5種類の管理対
象をすべてファイルとして実現し、分類、関係付け、検索、関係探索を、ファ
イルに対する属性の付与、検索によって実現した。管理対象に対する操作イン
ターフェースとして、コマンドレベルと、ウィンドウレベルの2種類を用意し
た。

課題が発生してから具体的作業の実行にいたるまでの過程を、従来のコンピュー
タ環境とPIONで比較した結果、PIONでは、

・作業課題を管理、構造化する機能
・5種類の管理対象を相互に関係づける機能
・5種類の管理対象を統一したインタフェースで操作する機能

によって、作業の流れ全体を一貫して支援可能であることが
確かめられた。