第 193 回 PTT のお知らせ


日時: 1994年 1月 20日 (木) 18:30 から
場所: 東京農工大学 工学部 数理情報工学科棟 1E 室 中央線東小金井駅南口 徒歩約 10 分
案内: 駅からの所要時間は、約10分程度です。
                                                   東小金井駅 
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++|~~~~~~~~~~~~~~~~~~|+++++
                                               ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
                                                          南口
                                                  モス  ---|
                                                       | (1) 南口下車
                                               コンビニ|     モスの前の道を
                                                     --+---  南下
                                                       |
                                         踏切          |
                                           ^           |/
                                  |        |           |
                          農工大  |        |      地蔵| 
                                門|  学校  +-----------+-- (2) 地蔵の立っている
                  ----------------|--------|           |       角を右折
                  工事中   |駐車場|        | (3) 直進  |
                           |(4) 農工大の門をくぐった左手に駐車場
    ------------------     |    駐車場の終りを左折。
         機械科棟    |  □ |---- 突き当りの建物を回り込む砂利道を歩く
    ------------------     |    |
                      ←---     | 
               |~~~~~|          |
               |玄関 |          |
               |     |
               |     |
     ----------      |
                     |
     数理情報工学棟  |
                     |
     ~~~~~~~~~~~~~~~~

話者1: 中島一彰(修士1年、高橋研)
題目1: 「紙」メタファ通信システムによる分散手書きKJ法
概要: グループ協調作業の一手段であるKJ法を分散環境で行うために、研究し ている通信システムについて紹介する。本システムは、手書き情報とペンを 通信手段とする「紙」メタファを主媒体としており、共有作業空間内で複数 の「紙」を整理するKJ法の環境を提供している。主な特徴は、実際のブレ ーンストーミングで最も多く使われている手書きの図や文字が「紙」でリア ルタイムで共有できること、作業空間で「紙」の移動による意見調整、グル ーピング、表札付け、関係定義などができることである。また、世代管理に よって情報を削除せずに試行錯誤を支援する。
話者2: 小笠原徳彦(修士1年、小谷研)
題目: 計算機との対話によるユーザの啓発
概要: 「人間が計算機に教える」というパラダイムに基づいた知識獲得の研究を、 ソフトウェア要求仕様獲得を題材に行っている。主として、獲得される知識 は、部分−全体概念関係および上位−下位概念関係で記述されるフレーム構 造で表現される。計算機は、知識構造に関するメタ知識により、ユーザを啓 発するような質問を発し、ユーザの発想を促進するように働く。
食事: 今回もありません. 駅前のモスバーガー、コンビニをご利用下さい。
次々回: 1994 年 2 月 17 日 (木) 早大 (予定)

	      葉書の残りは   枚です

差出人(幹事):
113  文京区弥生 2-11-16
     東京大学教育用計算機センター  岩崎英哉
     03-3812-2111  ext. 3020
     iwasaki@rds.ecc.u-tokyo.ac.jp

第 193 回 PTTメモ


日時: 1994 年 1 月 20 日 (木) 18:30 -- 20:30
場所: 東京農工大学 工学部 数理情報工学科棟 1E 室
題目:
話者:
出席者: 岩崎和哉, 神南吉宏, 寺田実, 下國治, 立山義祐(東大) 藤田浩明(東工大) 多田好克(電通大) 佐口泰之, 森田雅夫, 倉部淳, 堀素史, 竹中昌也, 伊知地宏(富士ゼロックス) 石畑清(明大) 和田英一, 高橋延匡, 中川正樹, 並木美太郎, 乾伸雄, 早川栄一, 加藤直樹, 福田奈津子, 相川哲, 加藤泰志, 風間利夫, 寺村健(東京農工大)
質疑応答:
発表題目1
 『紙』メタファ通信システムによる分散手書きKJ法
発表者
 東京農工大学工学研究科 中島一彰
要旨
 ブレーンストーミングのためのグループ協調作業の一手段であるKJ法を行う
システムを紹介した。ブレーンストーミングで有効な手書き情報とペンを通信手
段とする『紙』メタファを主媒体とする。個人または共有作業空間内で複数の
『紙』を用いて,『紙』の移動による意見調整,グルーピング,表札付け,関係
定義などが視覚的にできる。また,世代管理によって情報を削除せずに試行錯誤
を支援する。

質疑討論時の話題について:差分交換の情報共有方式について
 東大の多田先生より,「マルチホストでの情報共有手段に差分を交換するので
は,パケット到着順が違ってくると不整合が生じるのでは?」という質問があり
ました。
 発表時に応答しましたが、答え方が若干不十分でしたので、ここに補足します。
「確かに,ビットマップとして画面データを共有するのでは,消去と書込みのタ
イミングで矛盾することになる。しかし,本システムでは共有するのはストロー
クデータなどのオブジェクト単位である。ビットマップイメージではない。消去
もオブジェクト単位である。画面へは反映はオブジェクトの足し算の和である。
オブジェクトの到着順序の違いで最終的な画面が変ることはない(フラッシュの
必要はあるが)。ただし,この場合でもミリ秒の単位での到着順序の違いによっ
て記憶情報の完全一致は保証されない。しかし,実際はユーザの書込みはシステ
ムに比べてはるかに遅い。このような差は同じタイミングの書込みとして扱うの
は確実であるので,それほど問題にはならない。」
 手書きKJ法に使うことを考えると、このようなやりかたで、さして問題ない
と思っているのですが、差分データを管理する分散資源管理モデルの問題として、
多田先生の質問は別途考えたいと思います。


発表題目2
 「計算機との対話によるユーザの啓発」
発表者
 小笠原徳彦 (Naruhiko OGASAWARA)
要旨
 「利用者が教える」というパラダイムに基づいた知識獲得の研究を、ソフトウェ
アの要求仕様獲得を題材に行っている。このパラダイムは、何かを教えることで理
解が深まるという効果を、計算機による教育支援に利用したものである。
 主として、獲得される知識はフレーム構造で表現される。フレームは物体や事象
を表すオブジェクトフレームと、オブジェクトに対する動作を表す動作フレームの
二つがある。オブジェクトフレームは部分/全体概念および上位/下位関係で記述
される。動作フレームはオブジェクトフレームを「対象」として取る。一つの動作
フレームが複数の対象をとることがありうる。上位/下位関係は対象の上位/下位
関係によって決まる。部分/全体概念としては、別の動作フレームを取る。
 知識獲得は、日本語テンプレートを用いたキーボード対話によって行う。対話の
順序はまずユーザおよびソフトウェア自身、次にオブジェクトフレームについて、
最後に動作フレームについてである。対話の個々のフェーズでは、ユーザが望むま
で対話は継続する。各フレームについて値が不明なスロットと、まったくスロット
を持たないフレームがなくならないかぎり、終了することはできない。
 そのほかに、知識の整理を支援する機能として、以前の対話で得られた知識構造
を知識ベース化し、ユーザに適宜提示する機能、システムの持つ知識の上位/下位、
あるいは部分/全体関係に基づく階層構造を視覚的に表示する機能などがある。
 以上の方法により、ユーザの啓発を促進する。



立山@東大です.

In article  iwasaki@rds.ecc.u-tokyo.ac.jp (Iwasaki Hideya) writes:
   >>PTT 幹事の岩崎@東大です.
   >>前回の PTT の報告です.

代理投稿だそうです.

   >>岩崎和哉、神南吉宏、寺田実、下國治、立山吉祐(東大)
					     ^^
僕の「よし」は「義」です. (と, あの紙にも書いたはずですが.)

   >>多田好克(電通大)

   >>発表題目1
   >> 『紙』メタファ通信システムによる分散手書きKJ法
   >>発表者
   >> 東京農工大学工学研究科 中島一彰
   >>要旨
   >> ブレーンストーミングのためのグループ協調作業の一手段であるKJ法を行う
   >> < 略 >
   >> 東大の多田先生より,「マルチホストでの情報共有手段に差分を交換するので

多田先生の「所属」は電通大では?

   >>は,パケット到着順が違ってくると不整合が生じるのでは?」という質問があり
   >>ました。


   >> 発表時に応答しましたが、答え方が若干不十分でしたので、ここに補足します。
   >>「確かに,ビットマップとして画面データを共有するのでは,消去と書込みのタ
   >>イミングで矛盾することになる。しかし,本システムでは共有するのはストロー
   >>クデータなどのオブジェクト単位である。ビットマップイメージではない。

この場合も, 画面が白黒でなく, カラーや灰色も出せる場合,
オブジェクトの重なりの部分あたりで, やはりパケットの到着順が問題になるのでは?

   >>ただし,この場合でもミリ秒の単位での到着順序の違いによっ
   >>て記憶情報の完全一致は保証されない。しかし,実際はユーザの書込みはシステ
   >>ムに比べてはるかに遅い。このような差は同じタイミングの書込みとして扱うの
   >>は確実であるので,それほど問題にはならない。」

問題なのは, 多人数が同時に書きこむ瞬間ではないでしょうか.
この場合の到着順序の時間差は, 「マイクロ秒」以下かもしれませんよね.
通信速度が 10Mbps くらいだと.

# 本人は, はたして, この記事を読むのだろうか?

# でも, 本当に, 言いたかったことは, はじめの2つのミスだけですから…
- --
立山 義祐 @ 東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻 修士課程2年
 算法設計研究室  E-mail:tateyama@sanpo.t.u-tokyo.ac.jp
最初の2つのミスは訂正しておきました.山内(1999年12月 7日(火))