第 220 回 PTT のお知らせ


日時: 1996年 6月27日 (木) 18:30 から
場所: 東京大学工学部9号館(総合試験所)1階 132号室
		 
      工学部9号館は東大本郷地区から100メートルほど離れた浅野地区(大型
      計算機センターなどがある)にあります. 千代田線の根津駅の千駄木よ
      りの出口(言問通りと不忍通りの交差する交差点に出ます)を出て, 言問
      通りを本郷方面に向かって上がり, 最初の信号を左に曲がって50メート
      ルほど行くと左手に浅野地区の入り口があります. 入り口のほぼ正面に
      100メートルほど離れて見える高い建物が工学部9号館です. 
       
		<http://www.ipl.t.u-tokyo.ac.jp/location.html> 
	に地図があるので参
      考にしてください. 132号室は工学部9号館の入り口から入って廊下を右
      に進みつきあたったところにある部屋です. 午後7時以降はカードがない
      と入れないので, 建物の入口近くにある内線電話で7435番まで連絡して
      ください. 

話者: 安東 孝二 (東京大学教育用計算機センター)
題目: CU-SeeMeとreflectorの話
概要:
 CUSeeMeとはパソコンを用いた簡易型のテレビ会議システムです。
コーネル大学で開発されたこのツールはその簡便さから一般のインターネ
ットユーザーへ広がりました。WhitePine社によって商品化もされました。
 今回のPTTでは以下の内容でお話したいと思います。
・CUSeeMeとその歴史
・CUSeeMeの使い方(実技を含む)
・reflectorとその使い方、問題点
・public reflector運営にまつわる裏話
・ReflectorとMbone
・インターネットにおけるCUSeeMeの意義とその問題点

食事:
	 食事: 
		 
	 次々回: 
		 1996年7月18日(木)(予定) 電通大
	 葉書の残りは   ?? 枚です
	 差出人(幹事):
		 〒184 東京都小金井市中町2-24-16 
		 東京農工大学 工学部 電子情報工学科
		 コンピュータサイエンスコース
		 並木美太郎
		 Tel. 0423-88-7139 ダイヤルイン
		 namiki@cc.tuat.ac.jp

第 220 回 PTTメモ


日時: 1996年6月27日(木) 18:30〜
場所: 東京大学工学部9号館1階132号室
題目: CU-SeeMeとReflectorの話
話者: 安東 孝二
出席者: 佐々木崇郎(慶應), 鈴木貢, 多田好克(電通大), 海田美香, 尾上能之, 小川宏高, 島村英, 立山義祐, 田中哲朗, 寺田実, 沼尻政吾(東大), 岩崎英哉, 高野了成, 並木美太郎, ワサカヴィスティーヴィセット(農工大), 清水剛(HAL), 伊知地宏(富士ゼロックス), 石畑清(明大), 下國治(富士通), 本橋健(NTT)
質疑応答:
パソコンが普及して、いわゆるインターネットが普及すると、人々はそれらを
使った新しいコミュニケーションを欲する。そんな世の中で、もっともチープ
にして、もっとも普及しているであろうインターネット上のビデオ会議システ
ムがCU-SeeMeである。当初、Macintoshの特定のハードウェアでしか動作しな
かったCU-SeeMeはMacintoshのAVシリーズの発売、またはシリアル(パラレル)
ポートからの画像取り込みを実現したQuickCamの出現で一気に普及した。 
CU-SeeMeは動画のほかに、音声や文字、絵を用いてのコミュニケーションが可
能である。

このCU-SeeMeで特徴的なのは、併用されるreflectorの存在である。reflector
はユニキャストしかできないCU-SeeMeに大きな可能性を与える。元来一対一で
しか通信できないCU-SeeMeで同時に複数のユーザーとの対話を可能にする。し
かし、reflectorはその原理からしてトラフィックの爆発を起こしやすく運用
は慎重にならざるを得ない。

しかしながら、reflectorはMboneとCU-SeeMeのgatewayとしての働きなど様々
な利点を持つほか、その相互接続のflexibilityから大変おもしろいツールで
ある。過去には様々な放送イベントも行われた。また、Mboneと協調して運用
する試みも行われている。

また、CU-SeeMeはその安易さから、インターネットを肌で実感するのにもっと
もよいツールであるともいえる。WWWによって訳の分からないマルチメディア
が世の中にあふれているが、 CU-SeeMeのようなビデオ会議システムはユーザー
にとってはきわめて簡単明瞭かつimpressiveな「マルチメディア」ソフトであ
る。インターネットの世界における弱者にとってこの単純さは彼らの大きな味
方となる。しかし、そのような利点がある反面、 CU-SeeMe特有の匿名性から
トラブルも起こりうる。

CU-SeeMeとreflectorは現在も発展途上のソフトウェアである。WWWのトラフィッ
クの増大がインターネットに与える影響が過去に叫ばれたが、リアルタイム系
のこの種のツールのトラフィックの増大もネットワークに影響を与えている。
技術的にも社会的にもバランスをとりながら発展することが求められる。

現在、 CU-SeeMeとreflectorは開発元のCornell大学がフリーバージョンの開
発を続けるとともに、ライセンスを受けたWhitePine社が商用版の開発を行っ
ている。WhitePine社はreflectorのプラットフォームにWindows NTを加え、ま
た、 CU-SeeMe自身もカラーの画像転送を可能にするなど差別化をはかってい
る。