第 278 回 PTT のお知らせ


日時: 2002年3月28日 (木) 18:30 から
場所: 東京大学情報基盤センター4階会議室
    地下鉄千代田線根津駅下車.綾瀬にむかっていちばん前の改札口を通って地
  上に出る.右手すぐに"根津一丁目"という交差点が見えるので,そこを右折し
  て(ゲームセンター跡と薬屋の間の道)坂を登る.信号の少し手前左にある東大の
  入り口を入って直進するとつき当たり付近に情報基盤センターがあります.
  その建物の4階です.マップ
  を参考にして下さい. 通常の入口が閉まった後は守衛さんのいる出入口
  で記帳をする必要があります. 

話者: 山本篤 (東京大学総合文化研究科広域科学専攻)
題名:正規表現パターンマッチツールの集合演算による実装
概要:
従来の正規表現パターンマッチツールは,正規表現からオートマトンを生成 しそのオートマトンが対象記号列を受理するか否かでマッチを判定するという ものであった.

本研究では,正規表現を「記号列集合を受け取り記号列集合を返す関数」と 考えて定義し直す.

ここで考える関数は,受け取った記号列集合のうち,正規表現で一致する部 分を消費するようなものである.例えば,{abc, abbc, abba, cab} を,関数 としての正規表現 ab* に適用した場合には,出力として {a, ba, bba, c, bc, bbc} が返ってくる,このような関数は,集合演算で比較的簡単に再帰的 に定義可能である.

パターンマッチの観点からいえば,対象となる記号列一つのみを要素とする 集合を正規表現に対して入力として与え,その出力が空であるか否かによって マッチの判定が可能である.

この考え方に基づいて正規表現のパターンマッチを行なうツールを実際に実 装した.この実装の概要を述べ,また,従来の手法で実装したものとこれを比 較してその特徴を論じる.