第 304 回 PTT のお知らせ


日時:2004年10月28日(木) 18:30 から


場所:慶應義塾大学理工学部(矢上キャンパス) 25棟601教室(いつもと同じ部屋です)

 ●矢上キャンパスまでの案内
  ・東急東横線日吉駅より徒歩15分程度.
   綱島街道を渋谷方向に進み,2つめの信号(仲の谷交差点)
   で右折.細い道に入って直進してください.しばらく行くと,
   矢上キャンパス入り口の緩い坂道があります.
   地図は下記にあります.
    http://www.st.keio.ac.jp/contents/images/Keio-Map-j.pdf
  ・もしくは,JR横須賀線,新川崎駅よりタクシーで5分程度.
 ●矢上キャンパス内の案内
  ・キャンパス内地図は,上記の坂道を登った先の階段手前にあります.
   入構に際して警備室(階段の先)にお寄りになる必要はありません.
   適当な場所に案内板を置いて会場の教室まで誘導いたしますが,
   わからないときには警備室でお聞きください.

話者:
伊藤 一成 (慶応義塾大学)


題名:
汎用アノテーションシステムの開発

概要:

 近年、コンテンツの多様化と大量化に伴い、それに付加されるメタ・アノテーションを
直接の解析対象として、コンテンツを間接的に処理・理解する試みが盛んに行われている。
 代表的な規格としてMpeg7,RDF,RSS,FOAF,Dublin Core等が有名である。
 アノテーションシステムを構築する上で、
 1、記述仕様 2、処理系 3、UI を処理の対象とするコンテンツによって独自に
設定、構築しなければならないが、これは大きな労力となる。
 そこで、これら3要素をアノテーションの対象に依存せず利用できる汎用アノテーション
システムを構築中である。
 つまり、コンテンツさえ用意すれば、すぐにそのシステム上でアノテーション付けや
様々な処理が可能となり、また本システムは、用意されるコンテンツ、付与されるアノテー
ションによって、様々な用途に転用することが出来る。それらについて紹介する。
 本システムは、平成16年度IPA未踏ソフトウェアプロジェクトにて開発中である。


第 304 回 PTTメモ

出席者:23名
飯島正,岩田梓,黒川茂莉,篠沢佳久,寺中晶郁,浜田美寿,深津康行,山口高平, 山口征人(慶応大),伊知地宏(ラムダ数教研),嶋村謙太(東京工業大), 石畑清(明治大),松野徳大(都立高専),小林良岳,鈴木信吾,滝田裕,多田好克, 寺田実,丸山一貴(電機通信大),佐々木晃,田中哲朗,筧一彦(東京大),下國治


質疑応答:


Q 緊急に見るものに対しては割り込みがあるのか?
A 現在はないが、緊急度の高いものが通知される機能は必要と考えている。
具体的には緊急に見てほしいエンティティ(アノテーションの対象)を設定
するか、生成させたアノテーションをメールにて通知する機能を実装する
予定です。

Q マイナスのアノテーションを無視できないのか 
A 自分に関係ないものをゴミ箱に捨てるような機能は必要である。評判検索の
ような、言語解析による方法(例えば、”悪い”、”不満”といったキーワードが
含まれるものは負のアノテーションとみなす)も考えられるが、現状では想定
していない。

Q 閾値などで自動的に判別できるようにした方がよいのではないか?
  intelligent な判別機能が必要ではないか
A 要約という機能でその機能している。アノテーションの集合を文書を考える。
この文書には文間の関係もリンクにより構造化されていることになる。
  要約処理とは重要文抽出のことを言っており、これはつまり重要なアノテー
ションのみを抽出することになる。ユーザのプロファイルに相当するMAML
ファイルを要約の条件をして条件付要約することによりパーソナライズされた
重要アノテーション抽出処理となる。

Q 遊び用につけたものと仕事用につけたものが区別されているのか?
  チャットの中で特定の人のみにメッセージを送りたい
A 通常のアノテーションだと全員に伝播してしまう(broad cast)
  機能としては、broadcast とunicastについては実装している。multicastも
サーバ側の機能としては実装済みであるが、クライアントツールの方でうまく
指定してアノテーションを送出する操作を思いつかないので実装していない。

Q 認証は?
A してもいいし、しなくても良い。サーバ側の設定によって色々な使い方が想定
できる。

Q 情報同士の関連をアノテーションとして記述したのか
  従来のできなかったどのような点ができるようになったのか
A アノテーションの集合を比較することにより情報同士の関連性の定義及び参照を
可能とすることはこのシステムの重要な一つの機能である。いろいろな操作が
統一的にアノテーション操作として利用できることにより、例えばWebの情報
構造をマッピングしながらチャットを展開するとか協調オーサリングするなどの
使いかたも出来る。