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              第 347 回 PTT のお知らせ

     ---  Programming Tools and Techniques  ---
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■日時: 2008年9月18日(木) 18時30分から
■場所: 東京農工大学工学部7号棟 3階 3K室

JR中央線東小金井駅南口から,西へ向かって徒歩8分程度です.農
工大の東門に建物の配置図があります.
http://www.cs.tuat.ac.jp/2/contact.html をご参照下さい.なお,
現在中央線高架化の工事に伴い,上り線と下り線のホームが北口・
南口に分割されています.上り線ホーム北口から農工大に行く場合
は,改札を出て右手の地下道をくぐり農工大のある南口に向ってく
ださい.

■話者:浅野 一成 (東京農工大学 工学府情報工学専攻
                   博士前期課程 並木研究室)
■題名:PerlMachineの設計と実装
■概要:

 本発表では,プログラミング言語Perlによる高水準言語マシン
(PerlMachine)の設計と実装について述べる.
 Perlは,豊富なライブラリ群や特定のパラダイムに縛られないプ
ログラミングスタイルを特長とし,WindowsやLinux上のバッチ処理
やWebアプリケーションなどに広く用いられている.Perlが使われ
ていく中で,プラットフォーム上のソフトウェア全体に対し,前述
のPerlの特長を活かそうとする試みが行われ,Perlで書かれたシェ
ル(psh),UNIX互換のユーティリティ群(PPT)などが作成された.さ
らに,それらのツール群がLinuxディストリビューションとしてパ
ッケージングされたPerl/Linuxが,2001年頃にSourceForge上で公
開された.
 Perl/Linuxでは,initスクリプト以降のユーザプログラムは,す
べてPerlで実現されている.しかしながら,計算機資源をつかさど
るカーネルにはLinuxが利用されており,カーネル層を含めると,
ソフトウェア層の大半はC言語で構成されることになる.そのため,
Perl/LinuxをPerlによる高水準言語マシンと見なすことは難しい.
そこでPerlMachineでは,カーネル層を含めた,CPUより上位階層に
あるソフトウェアを可能な限りPerlで記述し,Perlによる高水準言
語マシンを実現する.
 PerlMachineのコアとなる言語処理系は,ハードウェアアーキテ
クチャレベルで独自実装せず,Perl本家サイト(Perl.org)で配布さ
れている処理系を利用し,PC/AT互換機のベアマシン上で実行する.
カーネル層では,Perlで記述されたオペレーティングシステム
(PerlOS)が動作し,元来CやC++で実装が行われていた計算機資源の
管理をPerlで行う.
 これまでにPerlで記述されたデバイスドライバ,ファイルシステ
ムドライバや,簡単なアプリケーションの試作を行った.本発表内
で実機による動作デモを行う予定である.今後は,Perlインタプリ
タのマルチインスタンスを用いたマルチタスク環境を実現する.


第 347 回 PTT report

参加者:21人
大島, 並木, 櫻田 (農工大), 大山, 佐藤, 小堀, 鵜川, 寺田, 永原, 稲津 (電
通大), 小林 (電通大OB),斉藤 (シンセリアル),伊知地 (ラムダ数研),横山, 丸
山, 笹田, 安東, 田中 (東大), 日比野 (ASAHIネット), 森田 (ルネサス),紀 
(KLS)