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             第 365 回 PTT のお知らせ

    ---  Programming Tools and Techniques  ---
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■日時: 2010年5月20日 (木) 18:30 から
■場所: 東京工業大学 西8号館W棟10階1008号室 (大岡山キャンパス)

http://www.titech.ac.jp/about/campus/o_map.html
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■話者: 金澤圭(東京工業大学 大学院情報理工学研究科数理・計算科学専攻)
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■題名:
KIDE: 流動的なモジュラリゼーションのための IDE サポート
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■概要:

 本研究では、流動的なモジュラリゼーションのための IDE サポートを行う機
構 KIDE を提案し、Eclipse プラグインとして実装を行った。KIDE を用いると、
実際は複数のファイルをまたがって実装された関心事に関するコードを、ひと
つのファイルにまとまっているかのように閲覧・編集することができる。また、
KIDE で着目する関心事は、開発者が編集したい処理に合わせて流動的に変える
ことができる。
 ソフトウェアを開発する際、プログラムの保守性や拡張性を高めるために、
関心事ごとにプログラムを分割し、異なるファイルに実装する。しかし、単一
のファイルに分割することが難しい関心事が存在する。このような関心事にか
かわるコードを編集するには、従来、たくさんのファイルの間を行き来しなが
ら編集しなければならず、煩雑であり、新たなバグを生む遠因となっていた。
 アスペクト指向(AOP)を用いると、そのような関心事を aspect と呼ばれる単
体のモジュールに分離できるため、先の煩雑な作業を避けられる。しかし、あ
る関心事が横断的か否かは、どの視点からモジュールを分けるかによって相対
的に決まるため、全ての関心事を単一のモジュールに分離することは AOP を用
いても難しい。そのため、AOP で予めモジュール化することを想定しなかった
関心事を編集する際は、やはりファイル間を行き来する作業が必要になる。
 我々は、上で挙げた問題の原因が、ファイルを分割する際の視点が固定的な
ことだと考えた。KIDE を用いると、コードを修正したい関心事に応じて分割の
視点を変え、その関心事に関連するコードがあたかもひとつのファイルに集め
られているかのようにエディタで編集できる。視点の変更は、開発者の注目す
る関心事に合わせて流動的に行うことができるため、上で挙げた AOP における
問題も生じない。

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■アクセス情報:●大岡山キャンパスの案内

東急大井町線、目黒線の大岡山駅下車、徒歩1分です。以下の地図の大岡山西地
区をクリックした拡大図の25番目の建物が西8号館です。

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●正門から西8号館W棟まで

駅を出てすぐに正門があります(7)。ここから右手に向って本館前の桜並木に出
ます(1)。 途中、大規模な基礎工事をしていますので気をつけてください。桜並
木から、芝生脇の坂を下ったところに西8号館があります(24, 25)。西8号館はE
棟と W棟にわかられていて、エントランスの階以外はふたつの棟は行き来できま
せん。エントランスより入って、廊下を突っ切ったところにエレベータホールが
あります。エレベータを使って10階の一番奥の部屋が会場です。

   http://www.titech.ac.jp/about/campus/

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